スイス連邦材料試験研究所(EMPA)とスイスの大手スーパー、ミグロ(Migros)が共同開発したソフトウエアツール。
さまざまな代替燃料を使用するトラックの二酸化炭素(CO2)排出量を走行ルートに応じて算出することができる。また、ディーゼルエンジンを搭載したトラックとCO2排出量を比較することもできる。
このソフトウエアツールは、DIN規格とISO規格の認証を取得している。
例えば、物流事業者は、当該ツールを活用して、どのルートにどの代替燃料のトラックを投入するのが最適化を知ることができる。
ミグロは脱炭素戦略の一環として、代替燃料トラックへの切り替えを進める中で、EMPAと共同で当該ソフトウエアツールを開発した。
このソフトウエアツールは、水素、電気、バイオガス、バイオ燃料を使用したトラックを出力や航続距離、積載量、コストの観点から、個々の走行ルートに応じて分析することができる。また、ディーゼルトラックと比較したCO2排出量の削減量を算出することもできる。
ミグロは当該ソフトウエアを「M Opex Tower」の名前で数カ月前から導入しているが、1月からは、蘭デジタル地図大手のヒア・テクノロジーズが「CO2 Insights」の名前で当該ツールを世界市場で提供している。ヒアの顧客は3月末まで無料で当該ツールを試すことができる。
ミグロは現在、約800台の輸送トラックを使用している。代替燃料のトラックは、水素燃料が11台、バイオディーゼルおよびバイオガスが78台、電気トラックは13台を導入している。
2025年までに輸送によるCO2排出量を70%削減する目標を掲げており、今後さらに代替燃料のトラックを増やしていく計画。また、EMPAとの協力も継続し、ソフトウエアツールをさらに改良していく方針を示している。