スウェーデンの商用車大手ボルボ・グループは12日、傘下のボルボ・グループ・ベンチャーキャピタルを通して長距離のリレー式貨物輸送事業を手掛けるスペインのトラックスターズ(Trucksters、マドリッド)に出資していると発表した。貨物輸送の需要が増す中、当該リレーシステムは長距離輸送の電動化や将来の自動運転化を実現するための強固な基盤になるとみている。
2018年設立のトラックスターズはビッグデータと人工知能(AI)技術を活用して道路貨物運送業界の効率化とドライバーの生活の質を高めることを目標としている。トレーラーをけん引するトラクターを中継拠点で入れ替える方式を採用しており、トレーラーの引継ぎを終えたドライバーは仕向け地まで運転することなく帰宅の途につくことができる。リレーによりトレーラーは継続的に移動するため、長距離輸送の所用時間を最大50%短縮できる。同社は現在、スペインから西欧と東欧、英国を結ぶ計4つの物流ルートを運用している。
ボルボは声明で、「トラックスターズに協力することで貨物輸送の安全性を高める技術を開発できるとともに、より持続可能な業界のために電気トラックの導入を促進することができる」としている。