スウェーデン鉄鋼大手のSSABは5日、フィンランド中部のボスニア湾に面したラーヘで、同国のエネルギー大手フォータムと共同で化石燃料フリーの水素還元製鉄技術「ハイブリット(HYBRIT)」を用いた海綿鉄生産の基本設計(FEED)調査を実施すると発表した。海綿鉄の工業規模での製鉄と、水素製造プラント建設の実現可能性を探る。
同調査は政府系機関「ビジネスフィンランド」が支援する化石燃料フリー鋼の研究事業「FFS」の一環で、2024年1-3月期(第1四半期)の完了を予定する。
SSABは2022年1月、北欧での鋼板生産(ストリップミル)における二酸化炭素(CO2)排出量を2030年頃までにほぼゼロにする方針を発表。同年に500トンの化石燃料フリー鋼を製造・供給したのに続き、23年3月には再生用鋼材とグリーンエネルギーのみを使用する「SSABゼロ」を導入した。スウェーデンのオクセレスンド工場の改修後の26年10-12月期(第4四半期)からは、化石燃料フリーの海綿鉄と再生用鋼材の混合原料を使ったゼロカーボン鋼材を量産することを計画している。