ステランティスとバルカン、ミュルーズ工場向けの地熱エネ開発で協力

欧州自動車大手のステランティスは5月31日、提携する豪バルカン・エナジー・リソーシズと地熱エネルギー利用のプロジェクトで協力すると発表した。仏ミュルーズ工場に地熱由来の再生可能エネルギーを供給するのが目的。実現すれば、2026年から同工場の年間エネルギー需要の相当部分を賄える可能性がある。

バルカン・エナジーは西南ドイツのライン地溝帯地域で、二酸化炭素(CO2)を排出せずに水酸化リチウムを製造する「ゼロ・カーボン・リチウム」プロジェクトを進めている。今回の地熱プロジェクトの第1段階として、ミュルーズ工場から近い同地域における地熱エネルギー開発の実現可能性調査(PFS)を行い、同時にリチウム生産の可能性も評価する。PFSの成果を条件に両社は折半で開発事業に着手する計画。

ライン地溝帯はライン川上流部のドイツとフランスをまたがり、ミュルーズ工場のある仏アルザス地方が3分の1を占める。バルカンは昨年11月に地熱エネ開発とリチウム生産を同地方に拡大するため、480平方キロメートルの開発エリアを確保する独占的ライセンスを当局に申請している。

ミュルーズ工場では、シトロエン「DS7」、プジョー「308」、「e-308」、「508」および新型「408」を生産している。

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