JLRの「オープンイノベーション」が1周年、新たに米・イスラエルに照準

英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)は5月18日、スタートアップ企業との協業に重点に置く成長イニシアチブ「オープンイノベーション」が一周年を迎えたのに合わせ、次の1年は米国とイスラエルで展開すると発表した。同イニシアチブはJLRが目指す「モダンなラグジュアリーブランド」への転身を加速させるもので、イノベーションの創出やスタートアップとの連携などを通してブランド価値をさらに高めるのが狙い。すでに英国とブラジルで一定の成功を収めており、新たな1年では米国のシリコンバレーとイスラエルの新興企業との連携に照準を合わせる。

米国では提携するベンチャーキャピタル(VC)大手プラグ・アンド・プレイがシリコンバレーに持つ協業ハブ「プラグ・アンド・プレイ・テックセンター」に拠点を置き、北米地域の新興企業との連携を深める。イスラエルではインドのITサービス最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)のテルアビブ拠点と提携し、イノベーション能力の高い同国の新興企業へのアクセスを拡大するとともに、成果をタタグループにも還流する。

オープンイノベーションはJLRと理念を共有するスタートアップやスケールアップ企業、および様々な外部組織との協力が軸になる。対象分野は、電動化、コネクティビティ、デジタルサービス、メタバース、製造、サプライチェーン、持続可能性のほか、最新のデジタル技術を活用して従業員の生産性を高めるインテリジェントエンタープライズなど多岐にわたる。これまでの1年でスタートアップ企業600社以上とコンタクトし、その中から27件の共同プロジェクトを立ち上げた。またJLRのベンチャーキャピタル(VC)子会社「インモーション」は7社に投資している。

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