英高級車メーカーのアストンマーティンは18日、中国自動車大手の浙江吉利控股集団が2億3,400万ポンドを追加出資し、第3位株主となると発表した。吉利は2022年9月にアストンマーティンの株式7.6%を取得していたが、出資比率は17%に引き上げられる。吉利はアストンマーティンに非常勤取締役を派遣する権利を獲得し、提携強化を図る。
発表によると、吉利はアストンマーティンの筆頭株主であるローレンス・ストロール会長率いる投資ファンドYew Treeから普通株式約4,200万株を1株3.35ポンドで取得し、さらにアストンマーティンが発行する新株2,800万株を同価格で引き受ける。これにより、アストンマーティンは現金約9,500万ポンド(約163億円)を調達し、負債を大幅に削減することができる。
アストンマーティンは人気スパイ映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドの愛車で知られる創業1913年の老舗メーカーだが、110年の歴史で7回倒産している。
ストロール氏は声明で「吉利は中国という戦略的に重要な成長市場を深く理解しており、幅広い技術や部品にアクセスする機会を提供してくれる」とコメント。吉利のエリック・リー会長は「アストンマーティンに対する出資比率を引き上げる今回の決定は、同社の成長見通し、技術面、経営陣に対する信頼と確信を反映している」と述べた。