米自動車大手のフォードは15日、小型MPV「トルネオ・クーリエ」の完全電気自動車(BEV)モデル「Eトルネオ・クーリエ」の詳細を発表した。都市居住者向けに従来モデルを刷新した「Eトルネオ・クーリエ」はクロスオーバーのコンセプトを取り入れた5人乗り。コンパクトな設計ながら従来比で44%以上広い荷室を備える。発売は2024年後半の予定。生産はルーマニアのクラヨバ工場で行う。
新モデルは出力100キロワット(kW)の電気モーターを搭載し、ノーマル、エコ、滑りやすい路面に適したスリッパリーの3つの走行モードが選べる。充電は出力11kWのAC(交流)と同100kWのDC(直流)の両方に対応する。DC急速充電を利用した場合、容量80%までの充電時間は35分。充電時間10分でも87キロ走行できる。
各種の先進運転支援システム(ADAS)のほか、無線更新(OTA)やコネクテッド機能を備える。内装ではフル液晶のデジタルメーターと12インチの大型タッチスクリーンを採用し、乗員のデジタルエクスペリエンスを向上させている。
フォードは2023年から24年にかけて、欧州で新BEVモデル10車種を発売する方針を掲げる。なお、「トルネオ・クーリエ」の内燃エンジンモデルは1リットル「エコブースト」ターボガソリンエンジン(出力125PS)を搭載し、今年夏から受注を開始する。