伊ブレーキシステム大手のブレンボが9日発表した2023年1-3月期決算は、売上高が前年同期比12.2%増の9億6,190万ユーロ、営業利益(EBITDA)は11.6%増の1億6,830万ユーロと大幅な増収増益となった。全ての事業部門と多くの国・地域でプラス成長を確保し、全体を強く押し上げた。EBITDAベースの売上高利益率は前年同期の17.6%から17.5%に若干低下した。
売上高を部門別にみると、主力の乗用車部門が12.9%増の6億8,790万ユーロと大きく伸びた。自動二輪車部門は3%増の1億2,330万ユーロ。商用車部門(14%増の9,660万ユーロ)とレーシング部門(23.4%増の5,390万ユーロ)も好調だった。
国・地域別では、欧州では主力のドイツが26.8%増(1億9,550万ユーロ)、本国イタリアは4%増(9,640万ユーロ)となり、全体をけん引した。英国は2.4%増の4,910万ユーロ。フランス(19.7%増の3,070万ユーロ)やその他の欧州諸国(19.6%増の1億2,740万ユーロ)も好調だった。アジアでは、インド(3,250万ユーロ)が最も大きな伸び(13.8%)を示したほか、日本(8.7%増、690万ユーロ)も堅調だった。その他のアジア諸国(9.4%増、1,310万ユーロ)も好調だったが、中国は9.1%減の1億2,460万ユーロと振るわなかった。
最大市場の北米(米国・カナダ・メキシコ)は14.1%増の2億5,900万ユーロと好調に推移し、南米(ブラジル、アルゼンチン)も64.5%増の1,960万ユーロと大きく伸びた。
同社は総額5億ユーロを投資してメキシコ、中国、ポーランドの生産能力の増強を進めている。2023年通期の見通しについては、地政学的なリストとマクロ経済環境における大きな変化が無い限り、売上高で10%の成長、売上高利益率で17.7%前後を確保できると見込んでいる。