フィンランドのタイヤ大手ノキアンタイヤは4月25日、今後5年間の長期財務目標、および非財務目標を発表した。売上高20億ユーロの達成や、セグメント営業利益率で15%、純利益の50%以上を配当に回すほか、持続可能性や職場の安全の向上にこれまで以上に取り組むとしている。
財務目標では、売上高20億ユーロの達成に向け、業界初の二酸化炭素(CO2)排出ゼロの工場をルーマニアに建設するほか、フィンランドと米国の生産能力を増強する。また、持続可能性に配慮した環境性能の高いタイヤ製品の需要が伸びることを前提に製品ラインナップを拡充する。
非財務目標では◇2030年までにタイヤの原材料に占める再生可能素材の割合を50%に引き上げる◇30年までに原材料および製品展開における二酸化炭素(CO2)排出量を15年比で50%以上削減する◇休業度数率(LTIF)を2018年の8.3から25年までに1.5に改善する◇25年までに主要サプライヤー全てにサステナビリティ監査を実施する――などの内容を盛り込んだ。
同社は昨年6月、売上高のおよそ20%を占めていたロシア事業からの撤退を決めた。同国事業では同社資産に対するリスクエクスポージャーを考慮して一定水準の現金資産持高を維持する必要があったが、撤退により資本構成が変わり、バランスシートが改善するとしている。