独電動商用車メーカーのクアントロンは4月21~28日に開催した自社展示会「Q‐Days」のハイライトとして、大型の燃料電池トラック「QHM FCEV AERO」を世界初公開した。当該モデルの航続距離は最大700 km。北欧仕様として航続距離が1,500 kmのモデルも用意した。
今回の自社展示会は、「#Readytodeliver」をモットーとする。顧客、投資家、提携先、ジャーナリストのほか、欧州、米国、サウジアラビア、中国の政府高官も招待されている。
「QHM FCEV AERO」は、カナダの燃料電池大手バラード・パワー・システムズが供給する120kWの燃料電池2基を搭載する。タンク容量は約54 kg。水素タンクがトラクターユニットのホイールベースのフレーム構造内に完全に統合されているため(いわゆる「リュックサック」状にタンクが配置されていないため)、標準的なトレーラーを制限なく使用することができる。「QHM FCEV」は、ノルウェー向けに、タンク容量が最大116kg、航続距離が最大1,500km、の航続距離拡張バージョンも用意されている。
■ 自社展示会「Q‐Days」が成功裏に閉幕
クアントロンは4月28日、自社展示会「Q‐Days」に世界17カ国から約500人が来場し、成功裏に幕を閉じたと発表した。50件を超える購入契約・趣意書を確保したという。これは、売上高で約3,000万ユーロに上る。
「Q‐Days」の開催中には、米投資銀行スタイフェル(Stifel)の欧州法人Stifel Europe Bank AGと協力すると発表した。スタイフェルは、クアントロンが計画するシリーズBの投資ラウンド(目標:1億~2億ユーロ)をサポートする。
また、クアントロンが立ち上げた分散型グリーン水素インフラの構築を促進するアライアンス「クリーン・トランスポーテーション・アライアンス」に新たに3社が加わったと発表した。具体的には、さまざまな廃棄物からグリーン水素を生成する技術を持つクリーンテクノロジー企業であるGreen Hydrogen Technology(GHT)、UNIWASTEC、Plagaziの3社が新たに加わった。