欧州自動車大手のステランティスは4月28日、車載電池材料のニッケルとコバルトの調達に向け、豪アライアンス・ニッケル(旧GMEリソーセズ)と長期供給を前提とするオフテイク契約を結んだと発表した。完全電気自動車(BEV)の販売に重点を置く方針であるため電池材料の安定調達がきわめて重要となっている。また、アライアンス・ニッケルの株式の11.5%を920万ユーロで取得し、取締役1名を指名できる権利を確保した。ステランティスは同社と2022年10月に提携に関する覚書を交わしていた。
アライアンス・ニッケルが西オーストラリア州で進める開発事業「ニッケル・コバルトプロジェクト」(NiWest)から、当初5年間に硫酸ニッケルを17万トン、硫酸コバルトを1万2,000トン調達する。これはNiWestの想定年産量の約40%に相当する。同事業は今年10-12月期(第4四半期)に最終的な実現可能性調査(フィージビリティスタディ)とエンジニアリング設計の完了が見込まれている。
ステランティスは2030年までにBEVの販売比率を欧州(乗用車)で100%、米国(乗用車、軽商用車)で50%に引き上げることを目指している。