ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは3月30日、固体電池技術開発の米ブルーカレントに少数株主として資本参加すると発表した。全固体電池技術の開発に向けて協力を強化する。両社はすでに共同開発契約を交わしており、ユミコアの電池材料をブルーカレントの全固体電池技術に統合した実績を持つ。今回の資本提携により、ブルーカレントは独自の「シリコン弾性複合材料バッテリー」を2026年までに市場投入することを目指している。
ブルーカレントは2018年、エネルギー密度を高めるためにシリコン含有量の多いアノードを採用した完全乾式の固体電池を開発した。同社のシリコン弾性複合材料バッテリーはこの技術を応用したもので、複合電解質とシリコンアノードの採用により安全性が向上するとともに、エネルギー密度が高く小型・軽量で低コストの電池パックの設計が可能になる。これにより電気自動車(EV)の航続距離延長と、充電時間の短縮が可能になる。
ユミコアは出光興産とも全固体電池向けの高性能材料を共同開発している。