インド鉄鋼大手のタタ製鉄は13日、英国中部ノーサンプトンシャー州のコービーにある冷間圧延工場に最新の電気誘導炉を導入したと発表した。投資額は500万ポンド。これによりチューブ工場1棟からの二酸化炭素(CO2)排出量を2,000トン削減する。
誘導炉の刷新は23年ぶり。新たな炉には米インダクトサームの誘導加熱コイルが12個使われている。効率向上に伴いガスを用いた予熱が少なくなり、CO2排出量を削減できる。年内に電力源を再生可能エネルギーに切り替える計画だ。
同工場ではプレミアムブランド「セルシウス(Celsius)」向けに長方形と正方形、円形の鋼管製品を生産し、牽引棒、タワークレーン、スキーリフトなど様々な用途に供給している。圧延加工ライン「SR2(Stretch Reduction mill)」は、直径169ミリの鋼管を約1,100℃に加熱してから直径40ミリ(配管肉厚3.2ミリ)まで引き伸ばせる。
タタは2045年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を達成することを目指している。