英BP、石油化学事業をイネオスに売却

英石油大手のBPは6月29日、石油化学事業を英石化大手イネオスに売却することで合意したと発表した。低炭素エネルギー事業にシフトする戦略に沿ったもので、取引額は50億ドルに上る。

BPは2020年末までの売却手続き完了を見込む。イネオスはまず手付金として4億ドルを渡し、手続き完了に伴って36億ドルを支払う。残る10億ドルの支払いは21年となる。

BPは2005年、石化事業の大半を担ってきた子会社イノビンをイネオスに売却した。このため、石化部門が全事業に占める割合はロイヤル・ダッチ・シェルやエクソンモービルといった石油大手と比べて小さい。世界で化石燃料依存から脱却する動きが進む中、残る石化事業の売却に踏み切った。

売却するのはポリエステル樹脂などの原料となる芳香族化合物とアセチル部門。英国内や米国、中国など14カ所で運営する生産拠点が含まれる。同事業の19年の生産量は970万トンだった。

今回の取引には、債務圧縮に向けた事業売却の一部という意味合いもある。BPは2021年までに150億ドルの資産を売却する方針を掲げていた。この目標を1年前倒しで達成することになる。

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