AFW(Automatisiertes Fahren im Werk)

独自動車大手のBMWグループがスタートアップ企業2社と協力してドイツのディンゴルフィング工場で2022年7月に開始したパイロットプロジェクト。組立てエリア内とそれに続くロジスティックフロアを運転手が乗車せずに車両が移動する仕組みを導入した。まずは、新型「7シリーズ」および電気自動車「i7」の生産に導入している。

車載センサーを使用せず、車両が移動するルートに設置したセンサーにより、車両を移動させる仕組み。インフラセンサーにより車両の位置や工場内に障害物がないかを検知し、移動プランナーがモバイル通信により車両に移動プランを送信する。

当該技術による自律移動は原則として、組立工程でエンジンが始動する段階になれば導入が可能になる。

当該プロジェクトは、BMWグループがスタートアップと協力するために2015年に発足させた「スタートアップ・ガレージ」を通して実施しており、韓国のSeoul Robotics、スイスのEmbotechと協力している。

Seoul RoboticsのLIDAR検出ソフトウエアは、静的監視センサーを使用して、物体の分類や車両の位置などを含む周辺環境のデジタルツインを作成する。Embotechの運転プランニングソフトウエアは、無人車両の操舵、ブレーキ、加速、駐車などを操作する。状況に応じたトレーニングやプログラミングを行う必要はなく、リアルタイムでルートを計算し、車両は状況に対応しながら移動することができる。

当該プロジェクトは、現在のパイロットフェーズを数カ月実施した後、ディンゴルフィング工場で生産する他のモデルでも実施する計画。将来は、他の工場での導入も視野に入れている。

「スタートアップ・ガレージ」ではこれまでに、150件を超えるパイロットプロジェクトを実施してきた。パイロットプロジェクトへの投資規模は45億米ドルを超える。

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