●2%のインフレ目標達成に向け高金利水準を維持
●インフレ率は中銀の予想を超えて低下
チェコ中央銀行(CNB)は21日、主要政策金利である14日物レポ金利を7%に据え置くことを決めた。据え置きは8会合連続。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に据え置いた。インフレが予想を超えて鈍化する中、2%のインフレ目標達成に向け高金利水準を維持する。
同国の5月のインフレ率は11.1%となり、前月から1.6ポイント縮小した。インフレ率の低下は4カ月連続。CNBは低下のペースが想定以上だとし、間もなく10%を下回ると予想する。
現在のインフレの状況に関しては、上振れリスクとして財政拡大と予想を上回る賃金の上昇、インフレ期待の上昇、下振れリスクとして国内需要と投資の強い落ち込みを指摘。これらの相反するリスクと、世界情勢の先行き不透明感を踏まえ、金利据え置きを決めたと説明した。
CNBは声明で、これまでみられていた外部環境からの強いインフレ圧力と、国内の需要圧力の両方が後退しつつあるものの、その効果が消費者物価に波及するまでには時間がかかると指摘。インフレ率を2%寄りで安定させるため高金利を維持する方針を繰り返した。
また、市場が今年の秋ごろとみている利下げの時期について「時期尚早」だと断言。次回の会合でも据え置きか利上げが議題になると強調した。