復興基金の資金返済財源、大企業への特別課税案が浮上

欧州委員会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けたEU経済の復興に向けた7,500億ユーロの基金を創設する計画について、資金返済の財源を確保するため、大企業への特別課税を検討していることを明らかにした。EUでの売上高の0.2%未満に相当する額を課税するというもので、年100億ユーロの税収を見込む。

欧州委が5月27日に発表した同基金創設案では、欧州委が債券発行で調達する7,500億ユーロが財源となる。調達した資金を28年以降に30年間をかけて返済することになっている。

欧州委の報道官によると、大企業への特別課税は返済資金調達の選択肢のひとつとして浮上しているもの。EU単一市場へのアクセスで恩恵を受けている企業に、EU事業の売上高の0.2%未満を課税する。

欧州委のヨハンネス・ハーン委員(予算担当)は同日、英フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、同案を検討していることを明らかにしていた。加盟国のEU予算への拠出を増やさずに返済資金の安定的な財源を確保するのが狙いと説明。約7万社が課税対象になるとの見方を示した。

返済資金の財源をめぐっては、このほかプラスチック製品の廃棄、巨大IT企業に課税する案などが取り沙汰されている。

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